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2012年1月27日(金)  ≪Without Arms ミロのヴィーナス≫

220px-Louvre_Venus_de_Milo_DSC00900.jpgルーブル美術館の至宝≪ミロのビーナス≫、深く聡明な表情と女性らしくふくよかな輪郭を持つ裸体の美しさは他に類を見ない。 私も1964年に日本で公開された際にまじかで見て、その美しさに魅了された一人である。しかし、美し過ぎるが故にビーナス像の誕生には、数奇な運命があったようだ。その発見は、1820年のギリシアのキュクラデス諸島の南西メロス島に遡る。或る農夫が掘り出した2個の石に興味を抱いた若いフランス人オリヴィエ・ヴーティエが、さらに農夫に探して貰った合計6個の断片をパズルのように組み合わせ、やがて上半身裸体の美しい女性像を再び世に送り出したのだ。

その後、このビーナス像は、その所有権をめぐって、 さまざまな逸話を残しながら人々の手から手へ受け継がれ、最後にルーブルへ。昨日の新聞に、たまたまビーナス像の失われた両腕に付いての記述が載っていた。右手でずり落ちそうな衣裳を押さえ、左手で林檎を手にしているという説が有力らしい。その林檎とはトロイア戦争の際、アテーナーとヘーラーを出し抜いてパリスから得た"黄金の林檎"のことで、アドルフ・フルトヴェングラーによる復元像がこれだ。 220PX-~2.JPG 最近見た3DCGのアニメーション≪Without Arms≫をご紹介しよう。人気の無い真夜中のルーブル美術館、目覚めたミロのビーナスは自分の両腕が無い事に気づく。周りの像はみんな両手が有って、壺や植物を持っているのに自分は壺さえ抱きかかえる事すらできない。何とか動けるようになったビーナスは、腕を探し求めて美術館内を彷徨い歩く。しかし、思うように歩きまわれない彼女は、階段から後ろ向きに落ちて頭がもげてしまい、階下に展示されていた【サムトラケのニケ】(2008年8月5日のブログ参照)の肩の上に落ち、ニケの頭となってしまう。

サムトラケのニケ】は、今までなかった頭を得て元気づき、大きく羽ばたきながらルーブル美術館のガラスの天井を突き破り天高く舞い上がって行くのであった。